【米国公認会計士の試験】受験資格や難易度について

こんにちは。
アメリカ在住、会計士事務所で働いているMayです。

みなさん、米国公認会計士とういう資格をご存知ですか?

米国公認会計士とはUSCPA(U.S. Certified Public Accountant)のことを指し、
米国各州が認定する公認会計士資格です。


日本でも公認会計士は、医者、弁護士に続く国家資格として位置づけられていますが、
アメリカでも同様に国際ビジネス資格の最高峰と位置付けられており、その仕事内容は多種多様です。

グローバルに活躍を展開する企業における海外進出など、
会計のプロフェッショナルであるUSCPAの社会的ニーズはますます高まっているそうです。

 

私がUSCPAを目指し勉強をはじめたのは、やはり公認会計士資格の将来性、安定性などに魅力に感じたからです。

そして大学在学中に勉強を開始し、卒業後全科目合格、カリフォルニアでライセンスを取得し、
現在はアメリカの米系会計事務所で監査の仕事をしています。

 

会計士と聞くと監査法人で監査、税務法人で税金に関する業務というのが一般的と考えるかもしれませんが、
それだけに限らず、多様な業界で資格を生かせるのも大きな魅力だと思います。

今回はUSCPA資格の試験制度の概要を簡単に紹介したいと思います!

 

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受験資格:学位要件と単位要件

日本と違って、アメリカでは、州ごとに受験資格が異なります。

USCPA試験をうけるためには、学位要件単位要件が必要です。

 

学位要件とは、大学・短大などを卒業して一定の学位を得た場合に満たされる要件です。

単位要件とは、会計単位ビジネス単位を一定数以上取得した場合に満たされる要件です。

 

一般的にみて日本の大学を卒業されている場合、商学部などの方をのぞいて会計単位が不足している方がほとんどかと思います。

私は日本の大学の法学部出身ですが、ビジネス科目の数はほどんと足りていましたが、
やはり会計単位が全然たりませんでした。

ですが単位に関しては、オンライン予備校に通ったり、複数の教育機関の単位を合わせてカウントできるので、
単位が足りないからと言って諦める必要はないと思います。
(予備校選びについては別の記事でご紹介します)

 

試験形式,出題科目

どの州も共通だと思いますが、すべてコンピュータ形式の試験です。

コンピュータのモニター画面に出題される問題に対して解答を入力するといった感じで、
四択問題シミュレーション問題(ケーススタディー的な要素が強い総合問題)の2種類です。

 

FAR:Financial Accounting & Reporting(財務会計)

企業や非営利法人、政府機関、その他において求められる一般的な会計基準の知識、
および、それらを業務において活用していくために必要な能力を問う科目。


BEC:Business Environment & Concepts(企業経営環境・経営概念)

ビジネス界における多くの商取引について、その背景と会計的意義についての知識、
およびそれを実務上で応用し、活用する能力を問う科目。


REG:Regulation(諸法規)

Federal Taxation, Professional Responsibilities(職業倫理と法的責任)、
Business Lawの知識、およびそれらを業務において活用していくために必要な能力を問う科目。

AUD: Auditing (監査)

監査手続・GAAS(Generally Accepted Auditing Standards)・
監査証明業務に関する知識、監査業務において活用していくために必要な能力を問う科目を問う科目。

 

各科目とも5つほどのテストレットに分けられており、テストレット1から順に解答していきます。

確か次のテストレットに進んでしまうとそれ以前のテストレットに戻ることはできなかったと思います。
(各テストレット内で前の問題に戻ることはできます)。

 

受験地

受験地は出願州と異なっていてもOKです。

受験するためには米国いずれかの州(グアムを含む)に願書を出します。

各科目の試験は米国のコンピュータ試験会場で一年を通して受験できます。


日本受験のできない出願州もありますが、
(私はカリフォルニアのライセンスですがカリフォルニアは日本受験ができなかったと思います。)
一部の州は日本のコンピュータ試験会場でも受験できるようです。

 

日本の公認会計士の試験等は(あまり詳しくありませんが)、
一年に1回とかなので落ちてしまうとまた来年、と浪人することになりますが、
アメリカの試験には各科目の年間受験回数に制限はないので一年に何度もチャレンジできるのも特徴です。

また受験する科目の順番も各自決めることができ
一科目ずつ勉強、合格とすすめていけるので働きながらでも十分に合格できる資格だと思います。

 

気になる合格点ですが、受験生の人数やレベルに関係なく、

各科目99点満点中75点以上で合格となる絶対評価の試験

なのが日本の公認会計士試験との大きな違いだといえるんじゃないでしょうか。

 

私個人的には誰でもしっかり基礎を固めて勉強すれば絶対に合格できる試験だと思っています。

私もFARとBECでは一回ずつ落ちてしまいましたが、
しっかり基礎を復習することで二回目には合格することができました。

 

決して簡単な試験ではありませんが、私はすごくCost effectiveな資格だと思っています。

私はアメリカの大学も卒業していないですし、マスター(修士号)も持っていませんが、
アメリカにおいて就活をする際にすごく役に立ちました。

日本国内で仕事をしていても英語で会計実務ができるスキルが求められる場面が多くなっているので、
日本で働いていても生かせる資格だと思います。

次回の記事では私が実際に利用した予備校、選び方についても紹介しようと思います。


 

(written by May)

 

アメリカ留学後、自由の国アメリカで働きたくて、インターンからの正規雇用を実現した20代女子。アメリカの会計士の資格を取得し、米系監査法人で働いてます!

インターンの研修先探しやビザ申請手続き、転職など、現在進行形の体験談を紹介します。

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[ 【米国公認会計士の試験】受験資格や難易度について ]May,海外生活2021/12/21 21:59