ピットブルってどんな犬?ピットブルが凶暴って本当?

アメリカ在住のYonaです。
 
先日拾った犬ですが、その後も飼い主さんからのコンタクトが無いため正式に私の犬として飼うことになりました。
 
色んな心配を他所に元気いっぱい暴れ回ってくれていて、もうすっかり我が家のアイドルです。
 
さて、うちに来た犬(以下、Lと呼びます。)はピットブルだということが判明しました。
 
ピットブルは日本ではなかなか見ない犬種ですが、アメリカではよく見かける犬種です。
 
 
ということで今回はピットブルについてご紹介します。
 
 
実は最初がLが来た時、飼うかどうかをすごく迷っていました。
 
その理由はLが
 
「ピットブルっぽく見えるから」
 
でした。
 
何故ピットブルだから迷ったのか、その理由もこの記事で説明したいと思います。
 
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ピットブルとは

Pit Bullの正式名称は、
 
American Pit Bull Terrier(アメリカン・ピット・ブル・テリア)。
 
そのままPit Bullと呼ばれることもあれば、Pitと省略して呼ばれることもあります。
 
 
 
もしかしたら、ピットブルという名前を聞いたことが無い方もいらっしゃるかもしれません。
 
日本では見かけない犬種ですよね。
 
元々アメリカ産の犬種だけあって、アメリカでは有名な犬種です。
 
私が住んでいる地域でも見かける機会は少なくありません。
 
 
Pit Bulls are a type of middle sized dog descended from bulldogs and terriers.
(ピットブルは、ブルドッグやテリアを祖先とする中型犬の一種です。)
 
 
 
<犬種概要>
GROUP: Terrier
分類: テリア
 
HEIGHT: 17 to 20 inches (female), 18 to 21 inches (male)
体高:43–50 cm(メス)、45–53 cm(オス)
 
WEIGHT: 30 to 50 pounds (female), 35 to 60 pounds (male)
体重:13.6–22.6 kg(メス)、15.8–27.2(オス)
 
COAT: Short, smooth
毛:短い、なめらか
 
COAT COLOR: Black, white, brindle, fawn, blue, red, brown, tan, gray
毛色:黒、白、ブリンドル*、フォーン*、青、赤、茶、タン、灰
*ブリンドル:茶色や黄褐色のような色に、他の色の縞が入っている
*フォーン:英語で小鹿という意味の明るい黄色がかったタンのような色
 
LIFE SPAN: 8 to 15 years
寿命:8~15年
 
TEMPERAMENT: Loyal, affectionate, courageous
気質:忠実、愛情深い、勇敢
 
ORIGIN: United States
原産国:アメリカ合衆国
 
 
 
 
Pit Bullという呼び名は確かにAmerican Pit Bull Terrierの略なのですが、
アメリカではAmerican Pit Bull Terrierと以下の4種類を全部ひっくるめて「Pit Bull」と呼びます。
 
American Bully
 
American Staffordshire Terrier
 
 
Staffordshire Bull Terrier
 
 
American Bulldog
 
 
全部ブルドッグの仲間なだけあって、顔が似ていますよね。
 
どんな体格でもこういう感じの顔だとPit Bullと呼ばれるみたいです。
 
 
 
LはDNA検査等は行っていないので正式な犬種は不明のままですが、動物病院でAmerican Pit Bull Terrierと登録されています。
 
ただ、Pit Bullにしては体格が小さく、顔が長く(Terrier寄りなのだと思います)、一般的にイメージするPit Bullの外見とは少し異なります。
 
 
 
会う人皆から犬種を聞かれ、
 
Your dog is beautiful. Is it a pit?
(あなたの犬、かわいいわね。ピットブル?)
 
We think she’s a Pit Bull Terrier.
(ピットブルテリアだと思います。)
 
Oh yeah! Terrier! Right!
(あー!テリアね!なるほど!)
 
 
という会話を何回もしています。
 
動物病院に行く前は
 
I think she’s a pit mix…? Maybe?
(ピットブルのミックスだと思います…たぶん?)
 
という曖昧な回答しかできなかったので、大体でも犬種がわかって良かったです。
 
 
 

ピットブルに対する偏見

Pit Bullと調べると必ず出てくるのが、危ない、怖い、事故などというネガティブワードです。
 
 
その理由の1つにPit Bullの歴史が挙げられます。
 
Pit Bullは、元々19世紀初頭のイギリスでBlood Sportsのために作られた犬種です。
 
Blood Sportsとはその名の通り血の流れる競技のこと。
 
ここでは犬同士を戦わせる闘犬Dog fightingや、犬にネズミを追わせて全部殺すまでの時間を競うRat Baitingなどといった競技を指します。
 
 
このような競技で活躍させるために、獰猛で筋肉質な体を持つブルドッグと俊敏かつ柔軟で攻撃的なテリアを掛け合わせ、力強くも素早い犬を作ろうとしたのです。
 
ちなみに、Rat Baitingで犬とネズミを入れる場所、囲いの中の事をPitと言い、Pit BullのPitはここから来ています。
 
 
 
闘犬がアメリカでも人気が出るようになるとPit Bullはアメリカに輸入され、その輸入されたPit Bullが現在のAmerican Pit Bull Terrierとなりました。
 
ちなみに1900年にはアメリカ国内での闘犬は禁止されていますが、禁止された後も非合法で行われていたようです。
 
 
Because of this history of Pit Bulls being a breed made for blood sports, there is a huge stigma that they are aggressive and dangerous.
(この闘犬用に作られた犬というPit Bullの歴史から、Pit Bullは攻撃的で危ない犬だという汚名があります。)
 
 
 
また闘犬としての歴史に加え、犬を原因とする死亡事故が多いのも理由として挙げられます。
 
2020年のデータでは、アメリカでの犬を原因とする死亡事故は全体で46件発生しており、その中でPit Bullが死亡事故原因の72%(33件)を占めたそうです。
 
赤ちゃんや少年少女がかみ殺されるという事件を耳にすることは確かにあります。
Wikipediaより)
 
このような理由から、豪州、エクアドル、マレーシア、ニュージーランド、プエルトリコ、シンガポール、ベネズエラ、デンマーク、フランス、ドイツ、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、ポルトガル、スペインでは法的規制があり、Pit Bullの輸入と所有の禁止もしくは制限されています。
 
アメリカ国内でも市や群によっては所有が禁止されている場所もあります。
 
 
 
日本では飼育は禁止されていませんが、茨木県では「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例」および施行規則で特定犬に指定されていて、条例のルールに従って飼育するよう定められています。
 
日本でも咬傷事故が起きたことがあるようです。
 
 
 
このような理由から、Pit Bullは凶暴だというイメージを持たれてしまっているのです。
 
ただ、犬種概要の気質でも説明したように忠実で愛情深い性格の犬でもあります。
 
闘犬として使われたことがある一方で、古くから多目的に人間の役に立ってきた犬でもあるのは事実です。
 
From a long time, Pit Bulls have been ranch dogs, hunting dogs, guard dogs, and of course, they were great family companions.
(古くから牧羊犬、狩猟犬、番犬として活躍し、勿論素晴らしい家族のコンパニオンでもありました。)
 
 
現在では警察犬、セラピードッグにPit Bullが採用されているケースもあります。
 
また、SNS上では飼い犬のPit Bullが妊婦のお母さんを周りから守ろうとしている動画や、子供の遊び相手になってあげている動画などが投稿されており、その愛情深さも伺えます。
 
個体差はあるものの、凶暴になるように育てられなければ、ちゃんと人間に優しい飼い犬になってくれるのも事実です。
 
 
 

ピットブルを飼うと決めた理由とその後

さて、冒頭でLがピットブルっぽく見えるから飼うかどうかを迷ったと書きました。
 
その理由は、上で説明したピットブルに対するイメージが原因でした。
 
私は犬を飼った経験がほぼ無く、最初に飼う犬として凶暴な犬種を選ぶのはハードルが高いと思っていました。
 
また同居している主人と主人の家族は犬を飼っていたことがありますが、同様にハードルが高いと思っていたようです。
 
 
もちろん個体によって性格は異なることはわかっていましたし、Lは私の家に来た当初とても静かで私たちの様子を伺いながら生活をしていたので、気性が荒い子ではないこともわかっていました。
 
それにSNSでピットブルのかわいらしい姿を見たことがあったので、良い一面があることは知っていました。
 
 
 
それでもLは捨て犬なのでLに何かしら問題があるかもしれないと思っていたし、ピットブルに対するイメージもあり踏ん切りがつかずにいました。
 
Nevertheless, the reason why I kept L is that she sensed that my family member was going to have a seizure and she tried to let us know. Not only that, L stayed on their lap during the seizure and helped them calm down. We were impressed by how thoughtful she was.
(それでもLを飼うと決めた理由は、Lが私の家族のてんかん発作を察知し、私たちに知らせようとしたからです。それだけでなくその人が発作を起こしている間、膝の上に居て落ち着かせようとしていました。私たちはLのやさしさに感動したのです。)
 
この出来事から、Lの優しさを信じて飼ってみようと決めました。
 
 
Lとは約2か月一緒に過ごしましたが人を攻撃しようとする素振りは一切ありません。
 
Lに関しては獰猛、凶暴という言葉は当てはまらないと思います。
 
また、とても賢く物覚えも早く、人の言うことを聞こうという姿勢もあるので、トレーニングも順調に進んでいます。
 
 
 
1つだけ難しいと思う点は、Lの力の強さです。
 
L is too friendly towards other human and dogs, and she always wants to play with them.
(Lは他の人や犬にあまりにもフレンドリーで、一緒に遊びたいと思っています。)
 
 
一緒に遊びたーい!という興奮モードに入ってしまうと歯止めが利かなくなってしまいます。
 
小柄ながら力が強いので、リードを力一杯引っ張られると私では引き留めるのが難しい時がありますし、飛びかかられると振り払うのが大変なこともあります。
 
動物病院やグルーミングなど、犬や人の臭いが濃い場所では本当に大変です。
 
 
ただ、少しずつ落ち着く方法を覚えてきているので、トレーニングを続ければどうにかなりそうだなと思っています。
 
このまま飼い主と飼い犬として良い関係を築いていければと思います。
 
 
 
以上、ピットブルについてご紹介しました。
 
 

(written by Yona)

 

アメリカ合衆国テキサス州在住。
メキシコ系アメリカ人の主人と結婚後、渡米。
現在、スペイン語習得に向けて勉強中。

アメリカやメキシコの文化・イベント、日常会話で使える表現・単語を紹介しています。

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[ ピットブルってどんな犬?ピットブルが凶暴って本当? ]Yona,日常英会話2022/08/06 20:03