アメリカ在住のYonaです。
ディズニーの最新映画「リメンバー・ミー」の舞台はメキシコ!
メキシコ系の家族に嫁いだ私が、映画に出てくるメキシコの伝統行事や音楽、言葉を紹介しています。
前回は、メキシコの祝日「死者の日」についてご紹介しました。
第2弾である今回は、メキシカンミュージックについてです。
映画にも登場するRanchera(ランチェラ)とMariachi(マリアチ)についてご紹介します。
知っておくと10倍楽しめる内容になっていますので、ぜひこれを読んでもっと映画を楽しみましょう!
Contents
Ranchera ランチェラ
Ranchera(ランチェラ)とは、メキシコの伝統的な音楽ジャンルの事です。
これはCanción Rancheraの略で、農園で歌われるような田舎の音楽、
つまりメキシコ版カントリーミュージックを意味します。
日本で言う歌謡曲や演歌のように、その国の伝統的なテイストを持ち、
今でも国民に愛され続けている音楽です。
Ranchera(ランチェラ)には国民的スターがたくさんいますが、特にこの音楽を語る上で外せない歌手がいます。
「El Rey de la Música Ranchera(The King of the Ranchera Music)」と呼ばれている
Vicente Fernández(ヴィセンテ・フェルナンデス)です。
Rancheraの例として、彼の代表曲「El Rey」をご紹介します。
Rancheraは、1930年~40年代に爆発的に人気になりました。
メキシコ革命後、仕事を求めて田舎から都会に働きに出る人達がたくさん出ました。
そんな人たちがラジオでRancheraを聞いて田舎での生活を思い出していたと言います。
また、この頃はメキシカン映画の黄金時代と言われていて、
Rancheraを使った映画もたくさん作られました。
先ほど紹介したVicente Fernándezをはじめとする多くの人気歌手達が映画でも活躍し、
国民的スターになったのだそうです。
映画「リメンバー・ミー」には、主人公ミゲルの憧れの的でもある
Ernest de la Cruz(エルネスト・デ・ラ・クルス)という国民的スターが登場します。
彼は、そのメキシカン映画黄金時代にトップレベルの人気を誇ったRanchera Singerという設定のようです。
Mariachi マリアチ
Mariachi(マリアチ)は、メキシコの音楽を演奏する楽団や彼らが演奏する音楽のことです。(マリアチ)
2011年にユネスコの世界無形文化遺産に指定されました。
まずはMariachi(マリアチ)がどんな楽団なのか、どんな音楽を奏でるのかを知っていただくために下に動画を貼っておきます。
彼らの奏でる音楽を聴けば、きっと
「あーメキシコっぽい!」
と思っていただけると思います。
曲は、私の義父が大好きでいつも歌っているMañanitas(マニャニータス)です(笑)
楽団の人数、楽器の種類や数は楽団によってまちまちです。
ただ4人以上のグループで、楽器はギター、トランペット、バイオリン、
そしてビウエラと呼ばれる背中が丸い大きなギターで構成されていることが多いです。
この動画のように、ギターボーカルで演奏を行うこともあれば、
Ranchera Singerなどをボーカルに立てて後ろで演奏のみを行うこともあります。
また、動画の中でMariachiの楽団員がユニークな格好をしていました。
腰丈のジャケットに大きなスカーフのネクタイ、ピッタリサイズのパンツ、
ショートブーツ、そしてツバの広い帽子をかぶっています。
これはTraje de charro(トラへ・デ・チャロ)といって、メキシコのカウボーイの格好を模したものなのだそうです。
基本的には白か黒のスーツが多いのですが、最近はお祭りやカジュアルパーティー用の青や紫などカラフルな色もあります。
よく見るとスーツには存在感のある金か銀のボタンや、金糸もしくは銀糸で刺繍が施されています。
MariachiだけでなくRanchera Singerなどメキシコの伝統的な音楽を演奏する人は大体このような格好をしています。
映画「リメンバー・ミー」の中でも、
Mariachi(マリアチ)とErnest de la Cruz(エルネスト・デ・ラ・クルス)が
このTraje de charro(トラへ・デ・チャロ)を着ているのが確認できます。
Mariachiは、卒業式や結婚式、パーティやお祭りのステージなど様々な場所で演奏をします。
私が住んでいるテキサス州にもたくさんMariachiがいて、
私自身もメキシカンレストランで演奏を近くで聞いたり、
主人の祖母の誕生日パーティに呼んで演奏してもらい、みんなでメキシコの歌を歌ったりしたことがあります。
聞いた話では、メキシコには大きなPlazaと呼ばれる広場に楽団が屯していて、
お金を払ったら演奏してくれることがあるそうです。
映画でも広場にMariachiがいる様子が描かれています。
いかがでしたか?
今回は、メキシカンミュージックから
Ranchera(ランチェラ)とMariachi(マリアチ)についてご紹介しました。
映画に出てくるMariachiやErnest de la Cruz(エルネスト・デ・ラ・クルス)の歌や格好にぜひ注目してみてください。
次回は、映画「リメンバー・ミー」を字幕で観る前におさえておきたい英単語とスペイン語単語、スパングリックについてです。
(written by Yona)
アメリカ合衆国テキサス州在住。
メキシコ系アメリカ人の主人と結婚後、渡米。
現在、スペイン語習得に向けて勉強中。
アメリカやメキシコの文化・イベント、日常会話で使える表現・単語を紹介しています。