在住者が見るマスク着用義務撤廃後のテキサスの様子

アメリカはテキサス在住のYonaです。

私が住むテキサス州ではマスク着用義務が解除され、約2か月が経過しようとしています。

日本でも報道があったようで解除当初、ありがたいことに家族や友人から心配の連絡をもらいました。

ということで今回は、テキサス州在住の私がマスク義務解除後の生活の様子を(かなり主観で)ご紹介します。

 

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テキサス州のマスク義務解除について

The statewide order that individual people must wear masks or face coverings in most public places is no longer in effect. It was superseded on March 10, 2021.
(公衆の場ではマスクや顔をカバーするものを付けなければいけないという州全体への法令は撤廃されました。2021年3月10日に改定されました。)
引用元

今年3月、Governor of TexasのGreg Abbott氏がマスク着用義務を解除を発表しました。

Abbott氏は、解除が必要な大きな理由としてCovid-19のビジネスへの影響を挙げました。

“Too many Texans have been sidelined from employment opportunities, too many small business owners have struggled to pay their bills. This must end. It is now time to open Texas 100%.”
(あまりにもたくさんのテキサス州民が雇用機会を奪われた。あまりにも多くの小規模ビジネスのオーナー達が生活費を稼ぐことが困難な状況にいる。こんなことは終わらせなければならない。テキサスを100%オープンにするのは今だ。)
引用元

このマスク着用義務解除を発表した際、同時に州内の全てのビジネスが収容人数の制限なく営業を行うことも許可しました。

この決定に踏み切った理由について、Abbott氏はこのように述べています。

“it is clear from the recoveries, from the vaccinations, from the reduced hospitalizations, and from the safe practices that Texans are using that state mandates are no longer needed.”
(州の義務が必要ない事は、回復率、ワクチン、入院者の減少、テキサス州民が行っている安全への対策から明らかだ。)
引用元

Mask Mandateを出した昨年と現在とでは状況が全く異なると言っています。

PPE、Covidテスト、治療薬が整っておりCovid-19に罹っても回復することが多いこともですが、何より州民のワクチン接種が進んでおり今後さらに接種者数が増えるようにしていくからこその決断だったようです。

 

このマスク着用義務解除には賛否両論あります。

ヒューストンやダラスなど主要都市の市長たちは解除発表後すぐにSNSや会見でAbbott氏の決定を批判し、市の建物内ではマスク着用義務があることを再度強調しました。

ちょっとややこしいのですが、敷地や建物の所有者はその場所内のルールを決めることができます。

だから市長たちは「市の建物内での」マスク着用義務を改めて発表したのです。

Executive Order GA-34, means cities and counties can no longer enforce mask-wearing with citations and fines. But it doesn’t mean masks won’t be required in many privately owned places, and it also doesn’t mean that a person can avoid consequences for not wearing masks where they are required.
(行政命令GA-34は市や区がマスク着用を裁判所への召喚状や罰金で強制することはできないことを意味します。しかし個人的に所有されている場所の多くでマスクが必須でなくなるという訳ではないし、またマスク必須な場所でマスクを着用しない事がもたらす事態を回避できるという訳でもありません。)
引用元

例えば行きたいスーパーが「マスクを着用しないと追い出しますよ」と言っている場合、そのルールに従わないとセキュリティや警察に追い出されます。

ただしそれは他人の健康を脅かすからという意味ではなく、あくまでその場のルールを守らないならその敷地にいる権利が無いという意味で追い出されます。

今まではマスクの着用が強制されていたのですが、今回のこの決定で個人やビジネスにマスクを着用するか否かの選択の余地が与えられました。

マスクを着けてはいけないわけではなく、着けなくても罰せられない場所ができただけです。

決定を受けてビジネスは従業員と顧客の両方に良い決断をする必要があり、個人は自分が利用する施設のルールを把握し行くか否かを判断する必要がありました。

 

私の目から見える変化

私はテキサス州のとある主要都市に住んでいます。

結論から言うと、私の目線からは本当に何も変わってないように感じます。

Even though the mask mandate was lifted, almost all the businesses have still been asking customers to wear a face mask / covering.
(マスク着用義務は解除されたが、ほとんどのビジネスが客にマスクやフェイスカバーを着用するよう求めている。)

前述の通り、各施設のマスク着用ルールは施設のオーナーが決めます。

Abbott氏の決断には賛否両論有りましたが、特に主要都市内では批判の声が多かったように感じます。

そのためビジネスの多くでは引き続き来客者にマスク着用を求めています。

私がよく行くお店や施設では引き続きマスク着用をするよう言っていて、今でも外出する際は必ずマスクを着用しています。

ただ市内でも小さなお店、会社で来客者のマスク着用をOptionalとしているところもあるようです。

 

またマスクの着用を求めている場所でも、着けていない人を注意しない場所が出てきたようです。

知り合いが働いている某ジムでは今までマスクを正しく付けていない人に一度はマスクを鼻まで隠して着けるようをお願いしていたものの、今はそれをしなくなったと言っていました。

その知り合いはトラブルに巻き込まれなくなった分、気が楽だと話していて、従業員の精神衛生を考えた判断なのかなと思います。

 

マスク着用撤廃後に外出する人が増えた印象は特にありません。

私の町ではそもそも昨年の暮れ辺りから、週末にレストランやバーが混んだり、ショッピングモールで多くの人が買い物していたり、公園で普通に家族連れが遊んでいたりと、コロナ前の普通の光景がよく見受けられるようになりました。

3月はイースターや春休みで遊びに出かけた人も周りに多かったのですが、個人的にはルール撤廃が無かったとしても出かける人は多かっただろうなと感じています。

ただ着用義務がなくなった今、延期になっていたイベントがまた開始する可能性があります。

その影響で今後ますます外出する人が増えるのかなと考えています。

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テキサスで起こったヘイトクライム

日本でも報道されていますが、アメリカの各所でアジア人に対するヘイトクライムが発生しました。

これを受け、アジア人に対するヘイトクライムに抗議するアクションが起こされています。

テキサスでは、サンアントニオ市でラーメン店を営むAsian Americanのシェフがテレビの取材に対しマスク着用義務の撤廃を批判したところ、店の窓などに酷い落書きをされたり脅迫の電話が掛かってくるという事件がありました。

詳細はこちらをご覧ください。

彼のインタビューを見たところかなり強い言葉を使ってAbbott氏を批判しているのは確かです。

しかし意見を述べただけで酷い嫌がらせをされてしまうというのは残酷だとショックを受けました。

 

以上、マスク義務撤廃後のテキサスの様子をご紹介しました。

 

(written by Yona)

 

アメリカ合衆国テキサス州在住。
メキシコ系アメリカ人の主人と結婚後、渡米。
現在、スペイン語習得に向けて勉強中。

アメリカやメキシコの文化・イベント、日常会話で使える表現・単語を紹介しています。

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[ 在住者が見るマスク着用義務撤廃後のテキサスの様子 ]Yona,日常英会話2021/04/27 21:58