アメリカ在住のYonaです。
アメリカに来て驚いた事と言えば、レストランのメニューの豊富さです。
その中でもビーガンメニューがほとんどのお店にあることには非常に驚きました。
アメリカには宗教や信念、健康上の事情などで食べる物に制限をしている人が多いです。
その中でも今回はベジタリアンやビーガンについて紹介したいと思います。
意外にこの2つの違いを知らない人も多いのでは?
特に飲食業界に従事している方は必見です!
ベジタリアンとは
ベジタリアン(Vegetarian)とは、肉や魚介類などを食べない人の事を言います。
これらは動物を殺すことによって得られる食べ物だからです。
ベジタリアンと一言に言っても制限をするレベルは考えによってそれぞれです。
例えばLacto vegetarians、Ovo vegitarians、Lacto-ovo vegetariansと言われる人たち。
この人たちはもちろん肉や魚介は食べませんが、乳製品と卵に関する考え方が違います。
Lact vegetariansと呼ばれる人たちは乳製品は食べます。
Ovo vegitariansは卵を食べます。
Lacto-ovo vegetariansは乳製品と卵、両方とも食べます。
他にも、肉は食べないけど魚は食べる人はPescetarians、
肉も魚も食べるけど食べる量が一般の人よりも少ないという人はFlexitariansと呼ばれます。
Flexitariansは、日本ではゆるベジという言い方もされています。
また、日本では古くから「精進料理」という仏教の思想に基づく料理がありますよね。
教えによって異なりますが、肉や魚介類、五葷(ごくん)と呼ばれる5種類の野菜を食さないそうです。
このタイプの人はOriental vegetariansと呼ばれます。
ちなみに、ベジタリアンはその名前から「野菜しか食べない人」と思われていることが結構あります。
しかし、彼らは肉や魚介類を食べないだけで穀物や果物、豆などの作物は食べます。
肉や魚を食べない分の栄養は他の物から摂取できるようになっています。
ビーガンとは
ビーガン(Vegan)には、衣食住すべてにおいて動物性の物を使わない人の事を言います。
肉や魚介類、乳製品、卵、はちみつ、ゼラチンなど動物を傷つけるものは口にしません。
更に、毛皮や革製品なども使用しません。
ベジタリアンよりも厳しく、動物に対する残虐な行為をできるだけ全て排除しようという信念の基、生活をしている人たちです。
もちろんビーガンにも考えによって様々な種類があります。
例えば、Dietary vegansは、食に関しては厳格に動物性のものを食べないようにしていますが、衣服やその他に関しては動物性のものを使います。
また、Macrobiansは、考え方自体はVeganと同じですが、時々動物性のものを食べたり使ったりします。
アメリカと日本のレストラン事情
実は今回この記事を書いたのは、日本に旅行で来たことのあるアメリカ人のビーガンの友人と会話をしたことがきっかけでした。
彼は、ゲストハウスやホテルのスタッフさんにビーガン料理を提供してくれるお店を教えてもらったそうです。
ただ、それ以外のお店ではほぼサラダしか食べるものが無かったと言います。
アメリカのレストランは様々な考えのお客さんが来るのでメニューがとても豊富です。
ほとんどのお店にビーガンメニューがありますし、健康上の理由でカロリー制限治療をしている人用に500kcal以下のメニュー明記している店もあります。
また宗教上の理由で特定のお肉が食べられない人もいるので、料理に使うお肉は客が選ぶことができます。
例えば日本人の感覚だと「炒飯には焼き豚!」と思ってしまいますが、こちらでは鳥・豚・牛・エビもしくは豆腐から選ぶことが多いです。
お客さんの事情に合わせて料理のカスタムも聞き入れてくれます。
例えばモーニングのメニューだとサイドに卵とベーコンかソーセージが付くことがありますが、
「健康上の理由でお肉が食べられないのでサラダにしてもらえますか?」
みたいなオーダーも受けてくれることがあります。
もちろんお店ができる範囲内に限りますが、かなり柔軟に対応してくれます。
対して、日本だと、そもそもビーガン用の料理を置いていない事が多く、またお客さんの事情に合わせたオーダーをできないことが多いですよね。
いきなりオーダーしても店員さんが慣れていなくて困惑されたり、店長に許可をもらわないと提供できなかったり…
そもそもそういったオーダーをするなら予約時点で店の了承を得ておけ!という文化ですよね。
普通のお店のメニューの中でビーガンでも食べられる物を探すとなると彼のようにサラダ一択になってしまうこともあります。
彼はがんばってレストランで、
「このメニューのお肉を抜いて欲しい」
とカタコトの日本語でオーダーしたりしていたそうですが、怪訝な態度を取られることもあったそうです。
2020年の東京オリンピック。
たくさんの外国人の方が日本に来られると思いますし、その中にはビーガンの方もたくさんいると思います。
飲食業界の方は既に様々な考えを持った海外のお客様用のメニュー開発に取り組まれているかと思いますが、改めて、全ての人に日本の味を楽しんでもらえるようなお店が増えてくれればいいなと思いました。
以上、ベジタリアンとビーガンの違いをご紹介しました。
(written by Yona)
アメリカ合衆国テキサス州在住。
メキシコ系アメリカ人の主人と結婚後、渡米。
現在、スペイン語習得に向けて勉強中。
アメリカやメキシコの文化・イベント、日常会話で使える表現・単語を紹介しています。