アメリカ在住のYonaです。
先週の日曜日、4/21はイースターでしたね!
皆さんは何かされましたか?
私の家には先週一週間、メキシコから主人の親族が遊びに来ていました。
メキシコでは、イースター前の1週間の期間は
「セマナサンタ」
と呼ばれています。
メキシコのキリスト教徒にとっては、イースターだけでなくセマナサンタも非常に重要な期間です。
ということで今回は、このセマナサンタについてご紹介します。
Contents
Semana Santa(セマナサンタ)
Semana Santa(読み:セマナサンタ)とは、キリスト教の祝日です。
イースターの前日までの1週間がこのSemana Santaにあたり、今年は4/14~4/20です。
先月Cuaresma(英語:Lent)についてご紹介しましたが、Semana SantaはCuaresmaの最終週に当たります。
英語ではHoly Week、日本語では宗派によって呼び方が異なりますが聖週間や受難週などと言います。
Semana Santaはキリスト教徒にとって非常に重要な期間です。
理由は、この期間がイエス・キリストの「受難」を思い返す期間だから。
イエス・キリストが十字架に磔にされて亡くなりその後復活した話は、キリスト教徒でなくても何となく知っている有名な話ですよね。
「受難」とは、十字架に磔にされた事やその過程によって受けた苦痛を表す言葉です。
Semana Santaはイエスがエルサレムに入城してから十字架に磔にされるまでの出来事を思い返し、彼の苦痛を心に刻むための一週間なのです。
曜日の名前と意味
Semana Santaの一週間には、曜日毎に名前がついています。
1日1日に聖書に載っているイエスの行動に紐づけられた特別な意味を持っています。
以下で、ざっくり説明します。
(※ソースは義両親の話とインターネットなので解釈に違いがあるかもしれません。)
Domingo de Ramos
Domingo de Ramos(読み:ドミンゴ・デ・ラモス、英:Palm Sunday, Passion Sunday)
仔ロバに乗ったイエスがエルサレムに入城した日です。
イエスがそれまでに行った様々な奇跡を噂に聞いていたエルサレムの人々は、ヤシの枝を振って彼を歓迎したと言います。
そのため、スペイン語では枝を意味するRamosを付けてDomingo de Ramos、英語ではヤシを意味するPalmが付いてPalm Sundayと呼びます。
また、イエスはこの時すでにこれから自分の身に起きる出来事を知ってたそうですが、その上で皆を導くために自分が犠牲にならなければならないとエルサレムに入城したそうです。
彼が自ら犠牲になったことを覚えておくための日と言うことで、上で説明した「受難」という言葉を使ってPassion Sundayとも呼ばれます。
Lunes Santo
Lunes Santo(読み:ルーネス・サント、英:Holy Monday、日:宮潔めの日)
イエスが神殿の境内で商売を行っている人たちを追い出したことに由来します。
イエスは神殿に向かったところ、境内には羊や牛、鳩を売ったり、両替をしている人たちがいました。
それを見たイエスは
「神殿はお祈りをする場所であって商売をする場所ではない」
と、縄で作った鞭で動物たちを追い出し、両替人の金をまき散らしてテーブルを倒して追い出したのでした。
Martes Santo
Martes Santo(読み:マルテス・サント、英:Holy Tuesday、日:論争の日)
イエスがユダヤ教の偉い人と論争したことに由来します。
イエスが神殿を歩いていると、ユダヤ教の祭司長、律法学者、長老たちが現れました。
この人たちはそもそもイエスの事を救世主だとは信じていません。
彼らはイエスを陥れようと様々な質問を投げかけましたが、ことごとく論破していきました。
そしてこの出来事から、イエスの存在が厄介だと判断したユダヤ教の祭司長、律法学者、長老たちは彼を殺そうと計画し始めます。
ちなみに、歴史好きの方なら知っている
「カイザルものはカイザルに、神のものは神に」
という有名なセリフはここで出てきた言葉です。
Miércoles Santo
Miércoles Santo(読み:ミエルコレス・サント、英:Holy Wednesday、日:香油の日)
マリアという女性が香油という非常に高価な油をイエスの注いだことに由来します。
頭からかけた説と、足を拭った説があります。
イエスは「この人は私の体に香油を注いで、私を葬る準備をしてくれたのだ」と言っています。
ちなみにこの日、弟子の一人であるユダがイエスを殺したいと思っている人たちから賄賂を受け取ります。
Jueves Santo
Jueves Santo(読み:フエベス・サント、英:Maunday Thursday, Holy Thursday、日:最後の晩餐日)
イエスが逮捕される前の最後の自由な日です。
イエスは弟子たちと最後の食事をし、これが絵画にもなっている「最後の晩餐」です。
そして、イエスは弟子たちの足を洗いました。
人の足を洗うことは当時は奴隷の仕事で、弟子が主から足を洗ってもらうなど恐れ多い事でした。
しかしこうすることで謙虚さと仲間への愛と示し、彼の犠牲と愛のメッセージを他の者に知らせてもらおうとしたのだと言われています。
晩餐の後、ゲッセマネ園という場所にお祈りに行き、そこで一泊します。
Viernes Santo
Viernes Santo(読み:ヴィエルネス・サント、英:Good Friday、日:受難の日)
イエスは逮捕されたことに由来します。
ユダという弟子が賄賂を受け取っていましたが、彼はどの男がイエス・キリストなのかを知らせるためにイエスの頬にキスをして相手に知らせたのだそうです。
イエスは酷い暴行を受けた後、自分が磔にされる十字架を持って丘を登らされました。
いばらの冠もこの時に頭に強制的に付けられました。
そしてゴルゴタの丘の上でイエス・キリストは十字架に磔にされ、その日の内に息を引き取りました。
遺体は十字架から取り外された後、布に包まれて、近くの墓に埋葬されました。
Sabado de Gloria
Sabado de Gloria(読み:サバド・デ・グロリア、英:Holy Saturday、日:安息日)
イエスの墓には彼の信者が追悼に訪れました。
また、彼の遺体が持ち去られることがないよう常にガードが見張っていたと言います。
そして翌日復活し、その日がイースターです。
Semana Santaのメキシコ
Semana Santaはメキシコ国内でも非常に重要な祭日で国を挙げてキリストの受難と復活の喜びを祝います。
その理由は、メキシコ国民の約90%がカトリックを信仰しているためです。
地域によってはお祭りや行事が行われます。
Cuaresmaの記事でもご紹介しましたが、この時期はシーフードのお料理がおいしいので、ぜひメキシコに旅行に行かれる方はシーフードを食べてくださいね。
また。
この期間は地域によって学校や会社がお休みになるので、旅行に出かけるメキシコ人も多いです。
私の家にもメキシコから主人の親族が遊びに来て、一緒に町に観光に出掛けたりお買い物をしたりしました。
その親族によると、お子さん通っている学校はSemana Santaと翌週の2週間休みだそうです。
ちなみに、アメリカの場合は会社や学校にもよりますが、さすがに一週間丸々休みになることはないと思います。
アメリカのキリスト教の学校に行っている子は
「イースターサンデーの後の月曜日と火曜日は休みー!」
と教えてくれました。
以上、Semana Santaについてご紹介しました。
参考: イースターってどんなイベント?アメリカでのイースター
(written by Yona)
アメリカ合衆国テキサス州在住。
メキシコ系アメリカ人の主人と結婚後、渡米。
現在、スペイン語習得に向けて勉強中。
アメリカやメキシコの文化・イベント、日常会話で使える表現・単語を紹介しています。